GAMBLE ZEBRAが生まれるまで

ゲームマーケット2017秋で発売する【カードゲーム】GAMBLE ZEBRAがどうやって生まれたかまとめてみました。

制作のキッカケ

普段集まる仲間が5人なので、5人で遊べてUNOみたいに簡単なルールで皆でワイワイできるゲームを作りたいなぁと思ったのがキッカケでした。

「簡単なルール」「皆でワイワイ」できるゲームですね。

 コンセプトを考える

まず、どんなゲームを作りたいか自分の思いをまとめてみました。



当たる確率「2分の1」の要素を入れたい

私は韓国で2回、ニューカレドニアで1回ですが、本物のカジノに計3回行った事があります。

カジノではルーレットが大好きです!

PIRO4D / Pixabay

けど、基本チキンなので「黒」か「赤」かの所ばかり賭けますw

当たる確率が2分の1で、当たれば掛け金が倍になる!っていう部分ですね。

黒でも赤でもない緑の「0」や「00」があるので、正確には2分の1ではないですけど…。

この当たる確率「2分の1」ってドキドキしませんか?

「7分の1」や「10分の1」より当たる確率が高いから、なんか当たっちゃう気がしませんか?

この当たっちゃう気がするドキドキの「2分の1の確率」をゲームに入れたい!と思いました。

量産コストも考慮したい

萬印堂様に2回ほどゲームの相談に行ったのですが、そこで「カード枚数によるコスト」を意識するようになりました。

有っても無くてもあまり関係ないようなカードでも印刷すればその分お金がかかってしまう。

それは非常にモッタイナイし、そんな中途半端なカードは捨てて「少ない枚数」で遊べるカードゲームにしようと思いました。

それと、カードは2色(白と黒)なら量産コストを抑えられるのではないか?と思ったので、「白と黒」をベースに作ろうと思いました。

この時、一番最初に白と黒の生き物で思いついたのが「シマウマ」でした。

英語で言うと「ゼブラ」

Pexels / Pixabay

ゼブラって言葉の響きがなんかカッコイイし、何かゲームの要素として入れたいな!と思いました。

※後日萬印堂様に相談したら、「グレースケール(白黒2色)で安くするの辞めちゃったんだよね」と言われ、結局フルカラーになりましたw

コンセプトまとめ

上記をまとめると、「簡単なルール」「皆でワイワイ」「2分の1の確率」「少ない枚数」「白と黒」「ゼブラ」とゲームのコンセプトが決まりました。

勝利条件を考える

コンセプトが決まったので、「じゃあ何をしたら勝利のゲームにしようか」と考えました。

UNOは誰よりも早く手札を1番に無くしたら勝ち。

「手札を無くしたら勝ち」というのもシンプルで分かりやすいなぁと思い、そっちの方向で考えていましたが、コンセプトの「2分の1の確率」って事はどちらか予想して賭けるゲームになるなぁ。賭けるなら結果として何かを得られるはず!と思ったので、ポイント争奪へ考え方を方向転換しました。

結果、「ポイントを取り合い、ゲーム終了時に一番ポイントが多い人が勝ち!」という勝利条件に決めました。

ルールを考える

コンセプトと勝利条件が決まりました。

次にルールを考えました。

コンセプトの「2分の1の確率」+「白と黒」

白と黒どちらか予想して賭けると、2分の1の確率だなとコンセプト「2分の1の確率」と「白と黒」が私の脳内で繋がりました。

この時、POINTカードの裏面を白と黒の2色にし、どちらか予想して賭ける!当たったらポイントゲット!というルールの基礎が生まれました。

どちらか分かった状態も面白いかも

POINTカードの裏面が白と黒どちらか分かった状態も発生したら面白いかもと思ったので、POINTカードは5種類各自白黒1枚ずつにしました。

これにより、今まで出たPOINTカードを覚えていれば同じPOINTカードが出た時に色が分かります。

「さっき3のPONTカード裏面は白だったから、この3のPOITNカード裏面は黒だな!」となる訳です。

しかし、どちらの色か分かった状態だと単純にその色に大きい数字を賭けた人が勝ちになってしまいます。

なので、「色替え」効果を持ったカードを混ぜて、この状況が更に盛り上がるようにしました。

 <色替えカード>

「裏面は黒だが、誰かが色替えカードを出すかもしれない。それを予想して白に賭ける!」だったり、

「裏面は黒だが、色替えカードを2人出してくるかもしれない。そうなったら黒→白→黒と黒に戻るから黒に賭けるぞ!」など更なる駆け引きが生まれます。

駆け引き&ジレンマ要素

駆け引き要素を入れる為に1ラウンドで2回カードを出すルールにしました。

1回目カードを出した後に他プレイヤーの考えを読み取り、2回目に出すカードを決めます。

「すごく大きい数字を出してきた人が居る。このままじゃ勝てないから、このラウンドは弱い数字を出して見送ろう」だったり、

「白を誰も出してないぞ!2回目に黒で大きい数字を出せば裏面が黒の時取れるかもしれない!」などの駆け引きが生まれます。

また、POINTカードがマイナス1と取りたくないカードの場合は少ない数字を出せば取らずに済む確率が高くなりますが、逆に強い数字を捨てることになってしまう。

このような「ジレンマ要素」を入れたくて、黒が8だと白が1、白が8だと黒が1という白と黒の2つの効果を持つZEBRAカードが生まれました。

<ZEBRAカード>

ゲームのテンポ

1人ずつターンを消費していくゲームだと、自分のターンまで「待ち」が発生し、テンポがよくありません。

自分の行動をじっくり考えて決めていくようなターン制のゲームは、頭を使い未来を予想していくゲームには望ましいと思いますが、今回はそういうゲームではなく「簡単なルール」のゲームです。

そこで、全員同時に一斉にカードを出すという事にしました。

これなら自分のターンになるまで待つという事なく、常に全員自分のターンです。

どんどんゲームは進んでいきます。

そして、同時にカードを出すとなると、やはり掛け声が必要です。

ん~なにか良い掛け声無いかなぁ~。そうだ!

コンセプトの一つである「ゼブラ」をカードを出すときの掛け声にしちゃおう!となりましたw

動物園に行った時に「あ!シマウマだ!」とは言いますが、「あ!ゼブラだ!」とは言わないですよねw

掛け声が普段言わない言葉っていうのも、ゲームを面白くする要素かなとも思います。

最後まで誰が勝つか分からない一発逆転要素

賭けに勝利してPOINTカードをゲットした人が勝ち!では単純すぎるし、序盤に連続で多くポイントをゲットした人が居たら、周りの人は「もう勝てない…。(´・ω・`)」とやる気が無くなってしまいます。

そこで、POINTカードをゲットした人だけがGAMBLEカードを引かなけれなばならない。そのGABMLEカード次第でゲットしたポイントが変わってしまうという要素を追加しました。

<GAMBLEカード>

POINTゲットした勝者は、運試しされるような感覚ですね。

POINTゲットしてGAMBLEカードを引く人は「倍やプラスになるカード来い!」と力が入りますし、当然他のプレイヤー達は「マイナスカードを引いてポイント下がれ!」と期待します。

自然とGAMBLEカードを引くのに注目が集まりますし、全員ドキドキします。

そして、マイナスになるカードを引いた時、他のプレイヤー達は喜びますw

「5のPOINTカードゲットし、もう逆転勝利確定じゃん!と思っていても、GAMBLEカードがマイナス3で逆転できなかった…。」

だったり、

「頑張って3のPOINTカードゲットしたが、他のプレイヤーは5ポイント持っている。このままじゃ勝てないがGAMBLEカードが×2だった!6ポイントになり逆転勝利!」

のような展開が起こります。

やっぱり最後まで勝つチャンスがあるっていうゲームの方がハラハラして楽しいですもんね。

サクッと終わるゲームにしたい

10分~15分で終わるカード枚数という事で、手札10枚の5ラウンド勝負に決めました。

3ラウンド勝負だと早く終わり過ぎて物足りないし、10ラウンド勝負だと手札が20枚とちょっと持つのが大変という事もあります。

5ラウンド勝負が一番バランスが良いなと感じました。

いざ、テストプレイ!

家のプリンターで名刺用紙に印刷し、友人達に集まってもらって、いざテストプレイ!


↑テストプレイ用に印刷した名刺用紙

テストプレイ用なので、本当にシンプルで簡素なデザインです。

けど、このデザインもある意味シンプルの頂点って感じで洗礼されていて個人的には好きです。

テストプレイをやってみると面白い!

友人から「全員同じ手札の方が戦略性が増さないかな?」と神のような助言をいただきました。

全員同じ手札にしたら、「あの人はもう大きい数字のカードを出していたから、私が次大きい数字のカードを出せば勝てるかも!」というような駆け引きの戦略性が増しました。

手札の内8枚は全員同じ手札だけど、2枚だけ違うSPECIAL GAMBLE ZEBRAカードが良い感じでゲームのスパイスになっています。

SPECIAL GAMBLE ZEBRAカードはあえて3種類(12カード、倍カード、色替えカード)だけにしました。

種類を増やしてしまうと、その分カードの効果を覚えなきゃいけなくなり「簡単なルール」では無くなると思ったからです。

テストプレイ中は

「黒来い!黒来い!…あー!白だったかー!」とか、

「さっきこの3のポイントカード出たよね!何の色だったっけ!?」とか、

「うわー色替えかよー!やられたー!」など大変盛り上がり、

もう一回やる事が当たり前のように没頭し、気がついたら2時間ずっとやってましたw

5ラウンド勝負でサクッと終わる事が、「もう一回やろう!」となる中毒性を生み出しています。

これは面白い!と自信が持てたので量産化を決め、本格的な制作をスタートしました。

ゲームのタイトルについて

これ凄く悩みました。

ゲームのタイトルって凄く重要ですよね。

タイトルから「どんなゲームか何となく分かる」というのが理想です。

色々案が出ましたが、シンプルなゲームだしシンプルに考えて、白か黒か賭ける「ギャンブル」 と カードを出す時の掛け声「ゼブラ」

この二つを組み合わせて「ギャンブル ゼブラ」にしようと決めました。

日本語にすると「賭博」と「シマウマ」という全く関係ない言葉の組み合わせですが、

インパクトあるタイトルとしては良いみたいです。

タイトルを考えた時に、こちらの記事を参考にさせていただきました。

⇒ 【週刊アスキー】人目を引くタイトル付けの7つの方法

「ギャンブルゼブラ」はこちらの記事の「(3)ギャップ萌え」に該当すると思います。

「宇宙兄弟」とかと一緒で関係のない言葉の組み合わせですね。

キャッチコピーも色々案を出しましたが、基本ルールを一言で表すとコレだなと思った「白と黒どっちに賭ける?」に決めました。

ゲームのデザインについて

カードのデザインコンセプトは「シンプルだけどインパクトがある」です。

フォントはギャンブルって言葉に合うように荒々しいフォントを使用しました。

全体的にデザインを統一する為、全てにゼブラ柄を使用しました。

ゼブラ柄は自分で描きました。

カードのデザインもシンプルにしたかったので、淵を付けたり余計な事はせず、日本語も一切使っておりません。

数字+英単語だけでデザインしました。

SPECIAL ZEBRAカードだけゼブラ柄をギザギザにして特別感を出しています。

タイトルもカッコよくインパクトを出したいので英語でGAMBLE ZEBRAとしました。

シマウマのキャラクターを描こうか迷いましたが、制作のキッカケになったUNOにはキャラクターが無いので、キャラクターは「無し」にしました。

最後に

自分が生み出したゲームを友人達が楽しそうに遊んでくれる姿が嬉しかったです。

萬印堂様で印刷されて形になった時も凄く嬉しかったです。

ゲームマーケットでご購入頂く方々にも楽しんでいただけるともっと嬉しいです。

私はサークルなどに所属せず、一人でゲーム制作しています。

テストプレイに付き合ってくれた友人、アイデアをくれた友人、ゲームの印刷・加工を行っていただいた萬印堂様など様々な方々に助けていただき完成しました。

ご協力頂いた方々に心より感謝いたします。

GAMBLE ZEBRA説明サイト