惑星バトルNo.1が生まれるまで

SHUNROIDゲーム4作目。
「惑星バトルNo.1」を作ろうと思ったキッカケや想い、作成時の事を書き残そうと思います。

※遊んだことが無い方でも分かるように書いているつもりですが、プレイ済み状態で読んでいただいた方がより分かりやすいと思います。また、めっちゃ長文なのでご注意ください。



キッカケ

前作の「神のツルハシ」がプレイ時間30~45分と中量級だった為、次はライトなパーティゲームを作りたい!と思っていた所、ふと「全世界で遊ばれるパーティゲームのUNOで自分が面白く感じる所ってどこだろう?」と思った事がキッカケでした。

考えた結果、UNOで自分が面白く感じる所は「ドロ2やドロ4で押し付け合い、増えていった枚数を誰が引く事になるかドキドキする所」でした。
※残念ながらUNOの正式ルールでは無い部分です。

UNOの押し付けあう要素バトル漫画のような熱いバトル要素を組み合わせたら、面白いのではないか?

バトル漫画で真っ先に思いついたのが私が大好きなドラゴンボール

アニメ「ドラゴンボール超」では宇宙代表の戦士たちが戦うバトルロイヤルが開催され、ワクワクが止まらなかったので、バトルロイヤルというテーマにしようと思いました。

惑星代表戦士たちの戦いにしたのは、ドラゴンボールのようにとにかくスケールのデカイ戦いにしたかったからです。

次に戦うとなると思いついたのが全世界で格闘ゲームの代名詞となったストリートファイターⅡ(以下ストⅡ)。今の時代はストⅤですね。

ストⅡは魅力ある個性あるキャラクターに溢れてますね!
「そのキャラが使いたい!そのキャラが好き!」というのはゲームを遊ぶ上で大切な要素だと思うので、キャラクターもカナリ重視すべき要素だと感じました。
また、ストⅡのように「弱攻撃、強攻撃、必殺技」など出せるようにしたいと思いました。

コンセプト

キッカケから自分がゲームで表現したい事をまとめるとコンセプトは下記になります。

  • UNOのような誰がカードを引くかドキドキ
  • ワイワイ気軽に遊べるライトなパーティゲーム
  • ドラゴンボール超のようなハチャメチャバトルロイヤル
  • ストⅡのような「弱攻撃、強攻撃、必殺技」の攻撃
  • 遊びたくなる魅力あるキャラクター

ルール

コンセプトを元にルールを詰めていきました。

UNOのようなドキドキ

「UNOの誰がカードを引くか」の部分を「手札が増えるのではなくHPが減る」とし、バトルゲームらしく攻撃によるダメージでHPが減っていく形にしました。
皆で攻撃を押し付け合い、誰が受けることになるのかドキドキする感じです。

最初は左のプレイヤーのみ攻撃できる「左を殴れ(仮)」という何だかおっかないゲームタイトルにしていましたw
しかし、攻撃対象を左右選べた方が楽しくないか?となり廃止。

次に、攻撃(ダメージ)はどうやって決めよう?となった時に思いついたのがストⅡです。
最初は手札からどんな攻撃をするか選んでカードを出して攻撃するという感じで作っていたのですが、ストⅡはコマンド入力を間違うと必殺技が出なかったりするじゃないですか?
なので、「必ず出したい攻撃を発動できるわけじゃない要素」としてサイコロを使う事を決めました。

サイコロを使うことにしたのは大正解でした。
サイコロを振るドキドキがプラスされます!

コンセプトである「ライトなゲーム」にする為、サイコロは1~3の目しかない6面サイコロを起用し、1と2の目の攻撃を全キャラ共通化する事により「サイコロの1が出たらダメージ1、2が出たらダメージ2」と分かりやすくしました。

サイコロの出目は1が弱攻撃(ダメージ1)、2が強攻撃(ダメージ2)、3が必殺技(キャラごとに変わる)とシンプルにしました。確率は全て3分の1です。
ストⅡは中攻撃もありますが、ライトなゲームにするため省きました。

ライトなパーティゲーム

どうしてもルールを考えていると面白くしたくて、あれもこれもと色々要素を追加したくなります。
先ほどのサイコロの1と2の目の共通化だったり、ライトなゲームという事に関してはとても気を付けるポイントでした。

プレイ時間が長くならないようにHPは5にしました。

また、バトル漫画ではピンチになると覚醒して強くなったりするので、HPが半分の「3」になったら覚醒する(攻撃のダメージずっと+1になる)要素を入れました。

これによりゲーム後半になるにつれダメージが増えるので、更に戦いが加速してHPが沢山残ってても油断できない攻撃になるというドキドキ要素に加え、ゲーム進行に加速感を追加できました。

4種のバトルカード

サイコロで攻撃を決めて、攻撃の回避は手札で行うようにしました。
手札を出せば回避できますが、手札が減っていくと後々回避できる可能性がドンドン低くなります。

覚えやすいようにバトルカードの種類は「跳返」「受流」「忍耐」「残像」の4種類だけにしました。

盛り上がるスパイスとして超跳返、超受流というダメージが+1される「超」がつくカードも入れました。
分かりやすさ重視で効果名は全て漢字2文字で統一しました。

なぜ「回避」ではなく「残像」なんだ?と思った方も居ると思いますが、それは「幽遊白書の飛影」の影響ですw
私がとにかく飛影っぽく「残像だ」と言いたくて残像にしました。(製作者が中二病で申し訳ございません)
まぁ惑星代表の戦士たちだし、全員残像ぐらい使えるっしょ!ぐらいの感覚です。

余談ですが、初期のテストプレイ時には「追撃」というバトルカードもありました。
このカードはダメージを受けるプレイヤーが決まったら、手札から追撃カードを出して更にダメージを追加できるという悪魔のようなカードで、出すと険悪なムード100%の喧嘩になる事が予想できて出す事ができない(出す勇気がない)カードとなったので辞めましたw

実はバトルカードは4種類平等に同じ枚数があるわけではありません。
跳返、受流の合計が20枚、忍耐、残像の合計は10枚しかありません。
これも忍耐、残像が多いと跳返、受流で誰が攻撃を受けることになのだろうというドキドキ感が減るため、枚数でバランスを取って調整しています。

ゲームの流れ

ゲームの流れもライトなゲームを重視し、シンプルにしました。

サイコロ振って攻撃、カードで回避、攻撃受けたらHP減らしてサイコロ振って攻撃。
この3ステップだけです。

バトルカードはUNOと一緒で色か形が合えば出せます。
黒いカードは何でも出せるワイルドカードです。

攻撃を受ける

手札からカードを出して回避するか、あえて攻撃を受けておくか。
この選択も後々響いてくるゲーム内での重要な選択となっています。

手札で攻撃が回避できるのでこのゲームにおいて手札はとっても貴重で大事
カード枚数を減らし量産時のコストを抑える目的もあって枚数調整をして貴重で大事な存在にしました。

攻撃を受けるってHPが減るネガティブな要素になりますが、攻撃を受けた時だけ山札から貴重な1枚を引けるし、サイコロも振って攻撃できると少しでもネガティブな感じが薄くなるようにしました。

バトルカードの「残像」を使用した時だけ山札からカードを引けないようにしたのも、どんな攻撃でも無効化できる強力な残像だからこそ与えたマイナス要素としバランスを取りました。

刹那の閃きシステム

このゲームで必ず盛り上がるのが「刹那の閃き

刹那の閃きとは攻撃を受けたらHPがゼロになる状態で、手札が無い、もしくは出せる手札が無い時にのみ発動できます。

発動すると山札から1枚引くことができ、中央に出ているカードの色もしくは形と合えば出せて回避できるというものです。

マーマンAsobiチャンネルでもマーマンさんが閃きまくってますねw

バトル漫画でもピンチな時に機転を利かせて助かる事ってありますよね。
ピンチになっても必ずチャンスがある!それを表現したくて導入しました。

刹那の閃きの名前の由来は、攻撃が来てピンチな時間(刹那:きわめて短い時間)に閃き(閃き:瞬間的にある考えが脳裏をかすめる)で回避する。という意味から来ています。

出せる手札が無い時にも発動できるようにする案を出してくれたのは、テストプレイに何度も付き合っていただいたスペシャルサンクスに載っている実範(ミノリ)さんです!
これにより刹那の閃きを発動しやくすなり、ゲームが面白くなりました!

勝利条件:2回勝ったら勝者

最初は1回勝ったら勝ち!でしたが、そうなるとプレイ時間が5~10分となり、かなりプレイ時間が短いゲームになってしまう。
そこでスペシャルサンクスに載っている笹原さんが「2回勝ったら勝者にしたら?」と案をくれて、採用する事にしました!

2回勝ったら勝者というのはストⅡと一緒ですし、1勝していると周りから狙われるという面白い要素になりました!

キャラクターの必殺技

必殺技は自分ならどんな攻撃をしたいか?を自問自答して作っていきました。

個性豊かな反面、正直キャラクターごとの相性があります。
ちょっと攻略サイトみたいになっちゃいますが、どんなメリットとデメリットを考えて作ったか記します。

タイプ別説明(攻撃タイプ)

ジェクト、マルス、ゴリボイです。
このタイプのみ覚醒すると必殺技もダメージが+1になります。

ジェクト

メリット:左右に攻撃ができて、かつ残像でしか回避できない為、避けられえる確率が低い
デメリット:ダメージが1と低めの設定ですので、序盤では全然脅威ではない

マルス

メリット:ダメージ2で跳返、受流が使用できないので耐えるか避けるしかできない
デメリット:忍耐・残像いずれかで回避可能なので、回避される確率が高い。(色か形も合わなきゃなので確率はそこまで高くないですが)

ゴリボイ

メリット:ダメージ3とダメージが一番強力で忍耐が使用できない。
デメリット:強力なダメージだが、跳返、受流で自分に返ってくるリスクが高い

タイプ別説明(次のターンのみ効果発揮タイプ)

マリエル、流衛門です。
次のターン最強になれる分、キャラクターの相性次第では敗れる可能性も高いです。

マリエル

メリット:手札も増えて、次のターンのみずっと跳返状態で無敵状態。次のプレイヤーの出目が1か2なら最強。
デメリット:ジェクト、マルス、ジュリアと相性が悪く、このキャラクターに必殺技を出されると跳返状態を無効化される。

流衛門

メリット:次のターンのみずっと超跳返状態で無敵状態。 次のプレイヤーの出目が1か2なら最強。
デメリット:ジェクト、マルス、ジュリアと相性が悪く、 このキャラクターに必殺技を出されると超受流状態を無効化される。

タイプ別説明(直接攻撃タイプ)

ジュリア

メリット:直接指名が可能。指定した色を出せないと2ダメージと大きく、回避される可能性も低い
デメリット:手札が無い相手は指名できない為、終盤手札が無いプレイヤーしかいない場合は必殺技を発動できても何も起こらず、サイコロを他のプレイヤーに渡すことになる

タイプ別説明(HP回復タイプ)

バンキュラ

メリット:跳返や受流で攻撃を返され受けても自分は0ダメージにできる為、安定したHP回復が可能
デメリット:ダメージが1と弱く、決定力に欠ける

タイプ別説明(手札奪取タイプ)

サリパ

メリット:手札を奪い充実させる事ができ、回避できる可能性が上がる。とにかく手札を増やせる。
デメリット:攻撃ができる必殺技ではないので、サイコロの出目1、2の攻撃で頑張るしかない。

相性がある理由

マリエルと流衛門の必殺技はジェクトとマルスの必殺技で無効化されてしまいます。
ジュリアに至っては跳返状態であろうと超受流状態であろうと指名できちゃいます。

次のターンずっと跳返状態、超受流状態という「次のターンずっと無敵状態です」という状況を作り出してしまう為、あえて弱点として相性を作りました。

ストⅡでもキャラクターによって多少の相性があります。(腕でカバーできちゃう人も居ますが)
現実世界でも人との相性ってあるので、そこはあっても良い要素と思ってます。

そこで、最初のキャラクターを各自選べるようにすると、相性によっては後から選んだ方が有利になったりするので喧嘩になってしまうかな?と思い、ルールブックにはキャラクタカードを裏面にしてランダムに配る形にしました。

もちろん各自好きなキャラクターを選んでも構いませんが、その場合は喧嘩にならないようにしてくださいと注意書きをルールブックに記しました。

上記を読むと「マリエルと流衛門が弱点あって弱い。」という事になってしまうかと思うのですが違います!
必殺技の出る確率は3分の1であり、この二人の次のターンずっと無敵状態は3分の2の確率で最強になれるという事であり、決して弱くないです。

繰り返しますが必殺技が出る確率は3分の1ですので、ゲームシステムのメインはバトルカードのやりとりと刹那の閃きです。

デザイン

デザインで重視したのが下記2点です。

  • 簡単なライトなゲームという印象を与えるデザイン
  • 分かりやすく遊びやすいポップなデザイン

キャラクターデザイン

キャラデザとイラストは柴田 賢志郎さんにお願いしました!
実範(ミノリ)さん柴田 賢志郎さん、私の職場の後輩と私の4人で月1のペースでボードゲームを遊んでいる時期があり、その時にお願いしました!

柴田さんにキャラデザをお願いするにあたり、お伝えしたのは下記です。

  • ライトなゲームなので3頭身の可愛い感じ
  • シルエットで区別ができるキャラデザ
  • メインカラーをキャラごとに分けて取り入れる
  • 色塗りはライトなゲームなのでアニメ塗り
  • 各自武器を持たせる
  • 全員惑星代表の宇宙人なので人型であれば基本何でもあり

注文多くて申し訳なかったですが、見事に理想通りのキャラクターを生み出してくれました!

作業はキャラごとのメインカラーと大まかな設定を伝えてラフを描いてもらい、もっとこうして欲しいと生意気にも意見を言わせてもらい、仕上げていただきました。

大まかな設定は本当に大まかでしたw
剣士は主人公っぽい騎士で、暗殺者は超最先端ロボ、盗賊はとにかく巨乳のお姉ちゃん、仙人はタコっぽく。
こんな感じですw

上記のキャラクター紹介ページをご覧いただいた方で「なんでこんな細かい設定があるんじゃ!」と驚かれた方も居ると思いますが、細かなプロフィール設定は柴田さんとお互いのキャラクターの印象をすり合わせて決めていきました。

この細かな設定があるのも、実は「ストⅡっぽくしたい」という想いから作りました。

ストⅡのゲームに同封されている説明書にキャラごとのプロフィールが細かく書かれており、小さい頃に読んでワクワクした記憶があります。

「えー!ブランカって軍隊アリが嫌いなの!?」とかゲームをプレイする上では全く関係ないキャラクターの細かな裏側を知るのが楽しくて、遊ぶ時にも味が出ると感じました。
今のテレビゲームって説明書が無いので、こういうワクワクって今の子供たちは経験できないのかな…?とも思います。

ロゴ

最初は「惑星No.1」でタイトルを考えていて、初期のロゴは下記デザインでした。

色を何パターンか作って、友人たちにどれが良いか聞いてました。

その後、ゲームタイトルに「バトル」と入れたくなり「惑星バトルNo.1」に変更!
ロゴを再構築しました。

シンプルにバーンという感じで、日本語は既存のフォントは使用せず一文字ずつ描きました。
空いたスペースに英語を記載しました。

バトルカード

実は一番何度もデザインし直したのがバトルカードです。

最初は色と形ではなく、色と形と吹き出しで考えていました。
吹き出しの方がバトル漫画っぽくなるかな?と思ってデザインしたのですが、中央に出したときにパッと見分かりづらいし遊びにくいと本末転倒なので没にしました。

じゃあもっとシンプルにとデザインしてみようとデザインしてみましたが、逆にシンプルすぎて分かりづらくなり没にしました。
バトルカードの種類ごとにアイコンも作ってみたのですが、そのアイコンと丸三角四角の形が混在し分かりづらさが増してしまいました。

上記以外にも何パターンもデザインしてはテストプレイを繰り返しました。

最終的にはやはりUNOのようなライトなゲームという印象を与えたいと思い、UNOに似たデザインにしました。
上下どちらから見てもバトルカードの種類が分かるように、かつ形もしっかり認識しやすいようにしました。

ひらがなも併記したのは小さい子でも遊べるようにという配慮です。
また、色弱の方向けに色名を英語で小さく記載しました。

HPカード

HPカードは最初はストⅡのような横長HPゲージで考えてデザインしていましたが、そのようなデザインだと残りHPがどれくらいなのか見づらくなってしまいました。

そこで上記のようにブロック分けをし、ハートマーカーを置くことで現在のHPを示すようにしました。
色分けもしてカラフルにすることにより面白そうと思ってもらえたらなという想いと、ポップな感じを出したくて色濃いめにしました。

「覚醒!」と言ってカードを出したかったので、当初はこんな感じで覚醒カードを1枚用意していました。
しかし、HP3になった時に必ず覚醒するならHPカードに書いちゃった方が分かりやすいし遊びやすいなと没にしました。

キャラクターカード

キャラクタカードも色々と試行錯誤を繰り返しました。

一通り作って感じたのは「文字だらけで読むのが大変」でした。

そこで、ある程度アイコン化して読みやすくし、ルビも振ることで小さい子でも読めるようにしました。
イラストがとても素敵なので、背景は邪魔にならないようにシンプルにしました。

パッケージ

キャラクターのイラストは出来てたので、それを寄せ集めてパッケージイラストにしても良いかな?と思いましたが、やっぱりパッケージデザインは大事なので新たに描いてもらいたいと思い、柴田さんにパッケージ用のイラストをお願いしました。

パッケージはストⅡのパッケージを意識したレイアウトで依頼しました。

私が描いた汚いラフがこちら。

柴田さんが私の汚いラフから描いたのがこちら。

私の汚いラフから素晴らしきイラストを描いてくれたので思わず「天才!」と言ってしまいましたw

中心に主人公っぽいジェクト、ストⅡだとリュウの立場ですね。
左右にマルス、サリパ。後ろにでかくゴリボイ。と全体のバランスを考えてラフを描きました。
柴田さんが機転をきかせてサリパを大きく描いてくれたので、それにより全体のインパクトとまとまりがカナリ良くなりました!

サマリー

バトルカードの説明でサマリーが有った方が良いのでは?と意見をもらい、作る事にしました。
表でバトルカードの説明、裏でカードのアイコンと刹那の閃きの説明を掲載しました。

あとがき

今回はSHUNROID初のキャラクターゲームでかなり気合が入っており、初めてイラストをお願いしました。
今までは全て一人で作っていたので、誰かに依頼するっていうのも良いなぁと思いました。

長々と書いてしまいすみません。
最後まで読んで頂いた方、ありがとうございます。
ゲームを楽しんで頂けると嬉しいです!